ボストンコンサルティンググループ シニア・アドバイザー、見立尚資(みたち・たかし)氏の心に響く言葉より…
【アートの持つ力】
さて、最近あちこちでSTEM教育の重要性が言われる。
STEM、すなわちScience(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)ということであり、デジタル時代には理数的教育が不可欠なのに、今の教育システムの中では、それが十分に満たされていない。
これは国の競争力を維持する上でも、大きな課題だ。
こういう論調であり、私自身も大いに賛同したい。
ただ、個人的には、これにArt、すなわち(音楽を含む)芸術教育も加えるべきだと思っている。
日本は、米国や中国、あるいはインドと比べて、コンピュータサイエンス専攻の学生数が、異常なくらい少ないので、まず、これを増やせばと思う。
また、文系を選択すると、ごくごく基本的な理数系の知識もなしに大学受験と大学教育を通過していまい、あらゆる分野がデジタル化する中で、きちんとした判断ができないビジネスパーソンになってしまうのもおかしい。
せめて、統計的素養や基本的なコンピュータサイエンスは、全ての大卒者に持たせるようにしたい。
そのためには、高校時代の教育内容についてもSTEM的要素を必修化させようではないか。
どうやって、将来に向けたイノベーションを起こす人材が生まれてくる確率、イノベーションそのものの確率を上げ、他にない価値をつくれる国になっていくのかを考えたい。
ここも合わせ考える必要がある。
このためには、アートの持つ「クリエイティブジャンプを生む直感力を育む力」「頭だけではなく、心と体を揺さぶり、新たな発想につなげる力」「分野の垣根や心理的な壁を越える力」が大変有効だと思う。
以前、日本のアート市場の規模が小さい、という話を書いたことがある。
大雑把に言えば、世界の美術品市場の4割前後が米国、そして中国と英国がそれに続き、これら3ヵ国で8割を超えてしまうというのが昨今の状況だ。
先日、金沢21世紀美術館の成功の立役者である、兵庫県立美術館館長、蓑豊(みのゆたか)さんのお話を聞く機会があった。
蓑さんによると、金沢21世紀美術館の開館時にまずやったのが、市内全小中学生を美術館に招くというプログラムだったらしい。
実は、私がお手伝いしている倉敷の大原美術館でも市内の子供たちに美術と美術館を楽しむ機会を作るという活動を何年も続けている。
金沢でも倉敷でも、時を経るにつれ、この体験をした中から、面白いビジネスをつくったり、感性と論理を生かしたソーシャルビジネスを立ち上げたりする人たちが出てきているという。
この手のものの常で、完全に因果関係を証明することはできないけれども、関わっておられる方の実感としては、「若いうちに美術や美術館に触れる機会」があった人たちとなかった人たちでは、かなり明確な違いがあるらしい。
私自身も、アート体験と地域のイノベーション力との相関を強く信じている。
中島さんのように、数学と(音楽という)芸術の両方のプロになるのは容易ではなかろうが、きちんとしたSTEM教育を受け、さらにArtの刺激を受け、感性を磨く人が増えることで、将来の日本発イノベーションの数は大きく増えるに違いないはず。
STEMプラスA。
ぜひ、積極的に仕掛けていきたい教育領域だ。
『「ミライの兆し」の見つけ方』日経BP
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本書には、“中島さち子”さんについてこう書いてある。
『人生を変える「数学」そして「音楽」:教科書には載っていない絶妙な関係』というユニークな書籍がある。
高校時代に数学オリンピックで金メダルを獲り、その後、東大理学部の数学科に進学。
卒業後は、ジャズピアニストとして活動しながら、数学の面白さを伝える教育運動にも携わるという著者。
一見、かけ離れた領域である数学と音楽には、実は類似点があり、また両方を股にかけることで、相互に良い影響があるという趣旨の話が出てくる。』
ある老舗の和菓子屋の方に話を聞いたことがあるが、子供の頃から、本物の美味しい和菓子しか食べさせてもらえなかったという。
そのため、大人になって、どれが本物の美味しい和菓子なのかが分かるようになったという。
子供の頃に本物を見ることは大事だ。
本物を見続けることにより、違いが分かるようになるからだ。
ホテルや旅館なら、極上の本物のホテルや旅館に泊まること。
料理なら、本物の料理を知ること。
そうすることで感性が磨かれる。
「アートの持つ力」を身につけたい。
🤔🤔🤔🤔🤔
極上の本物を見せる❗
「自分は子供達に、本物を見せているだろうか?、与えているだろうか?」
今、本物目指して生きてるので
子供達なりに真似してくれるなら
「それでよし❗」にしとこう❗
😉😉😉
今日も、ありがとうございました🙏